取締役等の重任・再任手続き②
取締役等の役員の任期が満了し、改めて役員に再選された場合には、役員の重任登記が必要になります。
前回、役員の任期、手続きの流れについて説明させていただきましたので、ここでは、手続きの必要書類、役員変更手続きの際のよくあるご質問にお答えさせていただきます。
取締役等の重任・再任の際の必要書類
取締役等の役員の重任・再任の手続きに必要となる書類は、取締役会を設置している会社か、取締役会を設置していない会社かによって若干異なってきます。
一般的な取締役等の重任登記の際の必要書類は以下のとおりです。
取締役会非設置会社
・株主総会議事録
・定款
・取締役の互選書
・取締役の就任承諾書
・代表取締役の就任承諾書
・監査役の就任承諾書(監査役を置く場合)
※代表取締役の選任方法を定款で「取締役の互選」としている会社では、「定款+取締役の互選書」、「株主総会決議」としている会社では、「株主総会議議事録」がそれぞれ必要になります。
取締役会設置会社
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・取締役の就任承諾書
・代表取締役の就任承諾書
・監査役の就任承諾書
・会計参与の就任承諾書(会計参与を置く場合)
・資格証明書(会計参与を置く場合)
取締役等の役員変更登記のQ&A
Q.1取締役等の再任時期が到来しましたが、どんな手続きが必要ですか?
取締役等の重任(再任)登記手続きが必要です。
取締役の任期は2年(監査役は4年)と法定されており、非公開会社(株式を公開していない会社)の場合は、定款で10年まで伸長できます。
任期を迎え、同一人物が同じ地位に留まる場合でも、株主総会での選任決議を経て、その事実を管轄法務局で登記しなければなりません。
Q2.取締役が全員重任して、代表取締役も変えない予定なのですが、それでも代表取締役は選任しなおさなければなりませんか?
取締役が全員重任した後に、代表取締役も選任し直さなければなりません。
なぜなら、取締役の任期が満了することにより、一旦代表取締役としても退任しているためです。
Q3.重任する取締役・監査役等の個人の印鑑登録証明書は必要ですか?
原則、不要です。
ただし、「株主総会議事録」、「取締役会議事録」、「取締役の互選書」に法務局に届け出ている会社実印を押印できない場合は、取締役・監査役全員の印鑑証明書が必要になります。
Q4.役員のメンバーが変わらない場合も変更登記が必要ですか?
株式会社の役員等(取締役・執行役・監査役・会計参与・会計監査人)には任期があります。
そのため、役員の構成メンバーに変更がない場合にも役員の任期が満了すれば、役員変更(重任)登記が必要になります。
Q5.「辞任」と「退任」とは何が違いますか?
任期の途中で役員を辞めるときは「辞任」になります。
一方、任期が満了に伴い役員を退くときは「退任」となります。
Q6.監査役を置かず、取締役を1名だけにできますか?
取締役1名のみにすることは可能です。
取締役会と監査役を設置している場合は、取締役会と監査役設置会社の登記を廃止する必要があります。
Q7.外国人を取締役に選任することはできますか?
外国人であっても取締役に選任することはできます。
Q8.外国人が取締役になる際、注意すべきことがありますか?
原則的に、就任承諾書に実印を押印した上で印鑑証明書の添付が必要となりますが、日本で印鑑証明書が発行されない方については、就任承諾書にサインの上、自国官憲やノータリーパブリックでサイン証明書の取得が必要になります。
また、外国人の氏名を登記する際、ロ-マ字で登記することが認められていないため、日本語表記として、通常は、カタカナ表記で登記することが多いです。
Q9.いつまでに登記をしなければなりませんか?
株主総会で再任の決議をされた日から2週間以内に管轄の法務局へ登記申請を行わなければなりません。
2週間を過ぎても登記を申請することはできますが、懈怠金(登記申請が遅れたことによる過料)が掛かる可能性があります。
Q10.重任(再任)登記の登録免許税はいくらかかりますか?
資本金の額が1億円を超えない株式会社は、10,000円です。
資本金の額が1億円を超える株式会社の場合は、30,000円です。
※役員が何名いても、登録免許税は変わりません。
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